『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』は、かの有名な『ふしぎの国のアリス』を思わせる不思議な世界に、現代の大学生安曇野りせがアリスと共に迷い込む、というストーリーの映画です。
『ふしぎの国のアリス』と言えば、あの独特の世界観やキャラクター、モチーフは今も人気で、様々な作品でパロディネタとして扱われることもある作品。
今回の映画『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』は、不思議の国をどのように描いてくれるのでしょうか。
また、ルイス・キャロル著の原作『ふしぎの国のアリス』とはどのような相違点があるのでしょう。
ここでは映画『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』の気になる内容にせまります。
『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』はいつから公開?

『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』はどんな内容?
『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』は、不器用ながらも真面目に就活をがんばっている大学生安曇野りせが主人公です。
あらすじ
安曇野りせは、長野から上京してきた大学生。
現在は、周りと同じように就活をがんばっていますが、失敗しないように空気を読み、皆と同じようにやっているはずなのにうまくいかないことに焦りを抱えています。
そんな迷える大学生りせの元に、亡き祖母安曇野文子からの招待状が遺されました。
安曇野文子は、亡き夫とともに一代で財を成した気骨のある人物。
人生を支えてくれた『不思議の国のアリス』のテーマパーク『アリス記念館』を設立していました。
残念ながら、祖母は志半ばで無くなりましたが、彼女の生前から秘書として仕えていた浦井洸がその意思を継ぎ、館長となっています。
りせは、祖母の招待状に導かれて『不思議の国』へと入り込み、そこで出会った少女アリスと共に旅をすることになります。

公式サイトのあらすじには、白うさぎ、ハートの女王、マッドハッター等、おなじみの『不思議の国のアリス』キャラクターのほかに、
ハンプティダンプティ、双子のトゥイードルダム、トゥイードルディーと、『鏡の国のアリス』のキャラクターの名前もあり、
トランプ兵(不思議の国のアリス)が登場するかと思えば、背景にチェスのキャラクター(鏡の国のアリス)が見えたりもするので、
どうやら『ふしぎの国のアリス』と『鏡の国のアリス』両方を混ぜた世界観のようです。
『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』のキャラクター
主人公のりせや、その周りの人物は今作オリジナルキャラクターですが、
それ以外のキャラクターは『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の登場キャラクターがモチーフになっています。
ただ、原作と比べると、驚くような相違点も…

安曇野 りせ CV.原 菜乃華
長野から上京し、一人暮らしをしている大学生。
就活に励む日々を送っていますが、真面目で几帳面であるためか、なかなか物事がうまく運ばず悩んでいる、不器用な女性。
アリス CV.マイカ ピュ
へんてこりんなウサギの後を追いかけた結果、不思議の国へ迷い込んでしまった。
ビクトリア朝イギリス生まれの少女。
天真爛漫で、好奇心旺盛な性格。
髪が短い、エプロンドレスではない、などの細かいところを除けば、おおむね従来のイメージに近いアリスです。
ただ、原作のアリスは割と毒舌でドライなところがあるので、現代人に好かれやすい性格に焼き直されているようですね。
マッドハッター CV.山本 耕史
風船をつけた奇抜な服装の男性。
上司のヤマネに逆らえない。
『不思議の国のアリス』の象徴的シーン「マッド・ティー・パーティ」に出て来る登場人物。
風船要素がどこから来たのかは謎です。完全にオリジナル要素ですね。
また、原作ではむしろヤマネ(ネムリネズミ)一人が立場が弱く、マッドハッターと三月ウサギにぞんざいに扱われ、最終的に大きなティーポットに突っ込まれてしまうので、立場が逆転しているのが面白いです。
三月ウサギ CV.八嶋 智人
VRゴーグルをつけたピンクのウサギ。
マッドハッターと同じく、上司のヤマネに逆らえない。
もちろん、VRゴーグルはオリジナル要素。
こうなってくると、ヤマネもどのように描かれるのか興味が惹かれます。
ハンプティダンプティ CV.小杉 竜一(ブラックマヨネーズ)
不思議の国でティーパーティを主宰する、マナーハウスの主人。
ぶたの赤ちゃんを抱いている。
『鏡の国のアリス』の登場人物。
原作では、ティーパーティとは無縁です。
原点を辿るとマザー・グースの同名の曲から生まれたキャラクターなので、その曲になぞらえて塀の上に座り、アリスと会話をします。
「ぶたの赤ちゃん」は『不思議の国のアリス』に登場。
侯爵夫人の家で泣き叫んでいた、最初は人間の赤ちゃんなのですが、アリスが抱いてあやしているうちにぶたに変わってしまい、とことこと去って行くという不可思議なキャラクターです。

白ウサギ CV.山口 勝平
いつも「時間が無い」と焦って歩き回っているウサギ。
様々なガジェットを使いこなし、タイパ重視の生活を目指している。
『不思議の国のアリス』の導入で有名な白ウサギ。
この、タキシードを着て喋るウサギが懐中時計を見て急いでウサギ穴に飛び込むのを、偶然見てしまったアリスが後を追いかけるのが全ての始まりです。
今作では懐中時計がたくさんのガジェットに変わっていますが、現代版解釈としては原作イメージに忠実と言えます。
チェシャ猫 CV.森川 智之
突然姿を現し、姿を変え、姿を消す。神出鬼没な不定形生物。
いつもにやにや笑いを浮かべ、猫の姿をしていることが多い。
不定形生物にされてしまいました。原作では普通に猫です。
ただ、出現も消失も自由で、首だけ現れたり、にやにや笑いだけ残して消えたりと、どう考えても普通の猫ではないことは確かなので、この解釈も「そうきたか」と納得してしまう面があります。
青虫 CV.山本 高広
青虫界隈では評判の美しさを持つ未成虫。
不思議の国のインフルエンサーです。
インフルエンサー設定はもちろんオリジナル。
原作では、水煙管をふかしてアドバイスをくれるキャラクターなので、大人のイメージです。
水煙管の代わりなのか、キャラクタービジュアルでは電動アロマディフューザーか加湿器らしきものを複数たいていますね。

トランプ兵
ハートの女王に仕える、無邪気な兵士たち。
ハート、ダイヤ、スペード、クローバーのそれぞれ4部隊51名で結成されている。
等身低くかわいく描かれているトランプ兵はちょっと斬新ですね。
原作ではちょっとおバカな印象なので、無邪気でかわいく描いたのはいい改変です。
ハートの女王 CV.松岡 茉優
不思議の国を治める女王。
変化のない日常に飽き飽きしている、最高権力者。
美人…ですね…
原作では、少しでも気に食わないことがあると「この者の首を切れ!」と言って回る横暴君主です。
もっとも、あまりにも「首を切れ!」と言いすぎるため、「また女王のいつものだ」と周りは適当に流しているのですが。
浦井 洸 CV.間宮 祥太朗
りせの祖母文子の生前から秘書として仕えていた男性。
文子の要請で、設立中のアリス記念館の館長になります。
りせにとって、少し年の離れた親せきのお兄さんのような存在。
安曇野 文子 CV.戸田 恵子
厳しくも優しい、りせのおばあちゃん。
『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』のまとめ

『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を題材にした映画『不思議の国でアリスと -dive in wonderland-』。
原作そのままでは面食らってしまいそうな『不思議の国』『鏡の国』の住人たちが、現代人に親しみやすいキャラクターにうまいこと改変されていることが感じられます。
『不思議の国』と、現代人安曇野りせを交えることで、どんなドラマが生まれるのか。
現代版『不思議の国のアリス』、とても楽しみですね!