サムライトルーパーとは、38年前の1988年度に放映されたアニメ作品『鎧伝サムライトルーパー』のことを指しました。
今までは。
実は、2025年6月11日に行われたアニバーサリーイベントにて、38年越しの正統続編『鎧真伝サムライトルーパー』の放映が発表されたのです!
サムライトルーパーと言えば、当時の人気はまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。
放映後もその人気は根強く、その後数年は同人イベントのフロアを独占したり、聖地巡礼や声優アイドルユニットの先駆けとなったり、現在プロとして活躍される漫画家さんたちが同人活動をされ、そこから公式イラストに起用されたりと、数々の伝説を残したことでも有名な作品なのです。
なにせ、今も現役で二次創作をされているアカウントもゴロゴロいるのですから、その沼の深さがうかがい知れます。
ここでは、そんな38年前のアニメ『鎧伝サムライトルーパー』の遺した伝説を整理していきます!
二次創作がすごかった

何を差し置いても、とにかく二次創作がすごかった。
これにつきます。
なにせ、30周年でメモリアルブックを出したり、35周年で御朱印帳を出したり、その間も新しいグッズを出し、様々なコラボも続けてきたすごいコンテンツなのです。
作画監督で語れるファンが多かったというのも、その深度の深さを感じられますね。
いくらオタク同士でも、作画監督の違いを把握していること前提で会話するコンテンツって、あまり無いのではないでしょうか…

一番多くの人の記憶に残っているのが、恐らく、「同人誌即売会の1フロアをトルーパーが貸し切っていた」という伝説。
これはちょっと、圧巻なんてものではありませんね。一つのジャンルで1フロアを埋め尽くすなんて、にわかには信じがたいですが、複数の方がこの話をされているので、当時のオタク界で有名になった事実のようです。
また、コミケのサークルカットに書かれるカップリング表記……要は各サークルの看板として掲げられるカップリング(もちろん、一つのサークルが1カップリングだけで活動しているとは限らないため、あくまでも氷山の一角)だけを取り上げても、1990年夏コミ~1993年冬コミの4年間・8開催でトップを独走し続けたという話も。
1991年頃は、カップリング表記の半分以上がトルーパーで締められていたというのですから、圧倒的なんて言葉も生ぬるく聞こえてしまいます。
コミケ女性向け歴代スペース数ランキングでも、あのテニプリを抑えて1位に君臨しているそうです。
あのテニプリを抑えて。
トルーパーはわずか1年しか放映されなかったアニメ作品なのに、長年連載し続けている現役コンテンツ(=幅広い世代にファンがいる)テニプリと対等に張り合ってしまうとは、恐ろしい話です。
当時の腐女子、いえ、やおいブームに火をつけたキャプ翼からのやおいコンテンツリレーもまた有名な話ですが、その中でも特に星矢とトルーパーが抜きんでていた印象があります。
今ではあまりないかもしれませんが、当時の少女漫画とかで普通にネタとして出される場面もあり、プロ漫画家さんご本人がドハマりしていらっしゃった名残を感じることもあったほどでした。
プロも輩出
現在プロとして活動されている方たちが多く輩出されたり、関わったりしてきたコンテンツとしても有名です。
CLAMP先生がドラマCDのイラストを手掛けておられたり、
橘皆無先生やみずき健先生が同人活動からプロへの足掛かりとされたことも有名。
人気同人作家を公式が起用するなんて、まだ一次創作と二次創作の垣根が緩かった当時ならではのことかもしれませんね。
しかし、逆に言えば、SNSもPixivも無いアナログな時代に、公式公認になるほどの人気を博した同人作家がいたという事実も、驚きを隠せません。
現在プロとして活動されている漫画家さん、イラストレーターさん、他、アニメ漫画ゲーム界隈におられる方の中には「強く影響を受けた」と言う方も多くいらっしゃいます。
『鎧伝サムライトルーパー』が後世に与えた影響は、数え出したらキリがありませんね。
聖地巡礼の元祖

『鎧伝サムライトルーパー』の舞台は日本。
主に東京を中心に話を展開しますが、主人公5人がそれぞれの力に所縁のある地があったり、EDで使われるエレベーターが特定されていたりと、モデルとされた場所が明確で聖地巡礼を引き起こした元祖とも言われています。
ちなみに、主人公五人の所縁の地は以下のようになっています。
- 烈火のリョウ → 富士山
- 天空のトウマ → 天橋立
- 光輪のセイジ → 秋吉台
- 水滸のシン → 鳴門の海
- 金剛のシュウ → 大雪山
日本全国に散らばっているため、制覇の難易度が高いことがうかがえます。
声優アイドルユニット

『鎧伝サムライトルーパー』の主人公5人の声優さんたちによるアイドルユニットNG5。
当時はまだ珍しかったアイドル声優の先駆け的存在としても知られています。
コンサートや握手会で失神者が続出し救急車が呼ばれたという伝説まであるのですから、すごい話ですね。
企業アカウントまで反応
今回、38年ぶりの続編『鎧真伝サムライトルーパー』の告知が流れて驚いたのは、全然関係ない企業アカウント(の中の人)までそれに食いついて来たことでした。
例えば、ニッセン。
過去に製作された、コンロの五徳を守るカバーのポストをわざわざ引っ張り出してきました。

五徳が五常に関連するだの、それを武装するだの、よく読めば鎧擬亜だのと、商品説明のセリフ回しがちょっとおかしいのは、どうやら中の人がトルーパーファンだったことが原因のようです。
そもそも、五徳を守るカバーって、あまりない発想ですよね。
もしかして、商品開発自体に関わっていらっしゃったり…いや、まさか…
また、洋服の青山まで食いついてきました。
理由は、ティザービジュアルの背景で、今は無い店舗が復活、しかし大破していたから。
こちらはある意味作品に関わったので、自然と言えば自然ですが、背景モデルにされたことに公式アカウントが気づく&食いつくと美味しいと判断されるほどには話題になっているという証拠ですね。
まとめ

放送直後はあまりにも多くのファンの人生を狂わせてしまった『鎧伝サムライトルーパー』。
38年間もコンテンツが存続した結果、ついに正統続編放送が決定しました!
浮足立ったファンからは、出て来る出て来る、当時の伝説の数々。
聖地巡礼や声優アイドルユニット結成等、現在のオタク界隈の土台を築いたと言っても過言ではないかもしれません。
正統続編『鎧真伝サムライトルーパー』に刺激され、過去の『鎧伝サムライトルーパー』が再注目されることは必至。
また、二次創作界隈が騒がしくなりそうです。