「移植」、「リマスター」、「リメイク」、「リブート」、の違いは何ですか?
と聞かれて、即答できる人は少ないのではないでしょうか。
映画やゲームを中心に、過去の名作を新たによみがえらせた作品を差す言葉として使われる「移植」、「リマスター」、「リメイク」、「リブート」。
似たような印象ですが、どれも全く同じ意味では無く、絶妙に使い分けられている言葉です。
この記事では、混同されやすい「移植」、「リマスター」、「リメイク」、「リブート」の違いを分かりやすく解説します!
また、ゲーム等では使われませんが、映像作品で聞くことがある「ディレクターズ・カット」についても触れておきます。
「移植」、「リマスター」、「リメイク」、「リブート」、の違いは何?
パッと字面を見ても、
まず「移植」は他の3つとは大きく違いそうなこと、
他の3つの言葉には、最初に「繰り返し」「再び」という意味を持つ「リ(Re)」がつくことはわかりますね。
移植とは
字面からも察せられるように、「移植」は他の言葉とは一線を画す言葉です。
「移植」とは、今までとは別のプラットフォームに対応することを指します。
そのため、他のエンタメ作品ではあまり聞かず、ゲーム作品で使われることが多い言葉ですね。
古いハードから新しいハードへの「移植」もありますが(例:PS3からPS5へ移植)、どちらかというと別メーカーのハードへの「移植」という使われ方が多いと思います。
SteamからPS5への移植とか、XboxからSwitcへの移植とかですね。
リマスターとは
remasterは「マスター(原本、原版、オリジナル)を新たに作る」という意味です。
音楽業界で使われることが多かった言葉のようで、旧譜や古い音源のマスター・テープを起こし直すときに使われました。
アナログからデジタルへの移行や、再収録の際にノイズを消去する処理を行ったりするときに使われますね。
特に、劣化したマスターフィルムをデジタル化するデジタルリマスターという言い方もよく聞きます。
ゲームの場合は、基本内容には着手せず、グラフィックやサウンド、パフォーマンスなどの精度を上げることを指します。
その際、いくつかの問題を修正し調整したり、現代のシステムとの互換性を向上させたりということが行われることも珍しくありません。
リメイクとは
remakeは「作り直す」という意味です。
原作の重要な要素は残しながら、リマスターとは違って単純なレベルアップにとどまらず、内容にも変更を加えることです。
シナリオを一部描き直したり、グラフィックを新しくしたり、新しいBGMを取り入れたり、エンディングを増やしたりといったことが行われます。
リブートとは
rebootの意味は、「再起動」。
キャラクターやストーリーの増減等、リメイクよりも根本的に大きく作り替える場合に使われる言葉です。
時代遅れな内容や、現代の感覚では受け入れがたかったり、年齢制限がかかるものを今の基準に合わせて作り替えたりします。
単発の作品で使われることはほとんど無く、フランチャイズ作品やシリーズものに対して使われることが多い言葉でもあります。
連続性を持った一連の作品群を、新しく仕切り直して作ることを指します。

「ディレクターズ・カット」とは
ハリウッド映画では、映画の最終的な編集権(ファイナル・カット)は、監督(ディレクター)ではなくプロデューサーが有しています。
そのため、どうしても時間を短縮せざるをえなかったり、プロデューサーの意向とディレクターの意向に食い違いが生じたままプロデューサーの意思を優先してカットされたものが劇場公開されることもあります。
そんな作品が、あとから監督の手で再編集して公開されることがあり、それを「ディレクターズ・カット」と呼びます。
日本の場合は監督が編集権を持っているため、劇場公開時点で監督による編集が叶っている(この時点ですでに、本来の意味でのディレクターズ・カット)場合がほとんどですが、
やはり時間に収めるために短縮したり、営業成績重視の編集で劇場公開した後、
時間制限を気にせずに編集し直したものだったり、芸術面重視や監督の趣味を強く反映した編集をしたものを「ディレクターズ・カット」と称して公開・販売することがあります。
映画ならではの事情が絡むため、他のエンタメ作品では聞かない表現ですね。
「移植」、「リマスター」、「リメイク」、「リブート」のまとめ

混同されることも多い「移植」、「リマスター」、「リメイク」、「リブート」、さらに「ディレクターズ・カット」を解説してみましたが、いかがでしょうか。
今までふわっとしたイメージで何となく使っていた言葉も、並べて比べて見れば別物であることがわかると思います。
ただ、その境界線はハッキリと別れているものでは無く、作品によってはそのグレーゾーンに位置するものもありますので、
ここでの説明はあくまでも参考程度に収めてください。
しかし、今後も過去の作品が新しく作り直されることは増えていくでしょう。
それらがどれも、新たなファン層を厚くできる魅力的な作品となるよう、祈っています。

