『にこにこぷんNEO(正しくは『にこにこ・ぷん NEO』)』とは、『おかあさんといっしょ』内で人気を博した人形劇シリーズ『にこにこ、ぷん』が復活したものです。
2025年8月7日に唐突に公式YouTubeが開設され、ファンを動揺させました。
なにせ『にこにこ、ぷん』は1987~1997年と28年も前に放送されていた人形劇。
『にこにこ、ぷん』世代はすでに四、五十代と、『おかあさんといっしょ』世代の子を持つ親世代よりさらに上の層です。
令和になって今さら脚光を浴びるなど、誰が考えたでしょうか。
そして気になるのは『にこにこぷんNEO』の内容と、声優。
また、時代に即してキャラクターの扱いに改変が加わるのかどうか。
ここでは『にこにこ、ぷん』の概要と『にこにこぷんNEO』の基本情報をまとめていきます。
『にこにこぷんNEO』と『にこにこ、ぷん』の違い

まず、『にこにこぷんNEO』と『にこにこ、ぷん』の大きな違いは、視聴方法と作品の表現方法です。
『にこにこ、ぷん』はNHKの教育番組『おかあさんといっしょ』内で放映された、着ぐるみを使った人形劇でした。
しかし、『にこにこぷんNEO』は、YouTubeの公式チャンネルでアップロードされるパペット人形劇(『ざわざわ森のがんこちゃん』系統のアレです)。
NHKの番組で、YouTubeがメインのものは珍しいのではないでしょうか。
キャラクター設定に改変はある?

30年近くも前の作品をリメイクするとなると、やはり気になるのが改変の有無。
何せ主人公の3人が、雑でネガティブな見方をすると「いじめっ子」「パワハラ」「ナルシストでイヤミ」とみることもできてしまうキャラクターです。
現在の『おかあさんといっしょ』内の人形劇を見ているとわかりますが、まず「いじめ」と取られるような描写は神経質なほどに排除され、偏見を助長させるような言動も無く、あえて障害を匂わせるような特徴やユニセックスなキャラ設定を取り入れたりするほど。
話の流れで価値観のズレや対立が起こっても、決して相手を否定することを良しとしないよう、細心の注意を払って描かれていることがわかります。
それでは、公式が発表した『にこにこぷんNEO』のキャラクター設定を確認して見ましょう。
じゃじゃ丸(ふくろこうじ・じゃじゃ丸)
ウラオモテ山猫の子ども。力が強くて敏しょう。性格は親分肌の野性派。
3人のリーダー的存在。現実主義者で、生きぬいていくための知識はたっぷり持ち合わせている。3人の中でただ一人字が読めない事、数字は4までしか数えられないことに、劣等感を抱いている。いわゆるいじめっ子タイプではあるが、根は優しくて寂しがりや。時には思わぬ義きょう心を発揮することも。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000019688.html
なんと、「いじめっ子タイプ」であることが明言されていました!
他にも「親分肌」や「義侠心」等、昭和時代には好かれたものの令和時代では避けられがちなキャラクター設定がそのまま引き継がれるようです。
実はじゃじゃ丸、顔も覚えていない生き別れの母がいたり、牛乳配達をしていたりという描写のあるキャラクター。
それ故に「いじめっ子タイプ」であることにはちゃんと裏付けがある性格設定なのですが、もしかしてそこも再現されるのでしょうか。
ぴっころ(ふぉるてしも・ぴっころ)
「ふん」ボルトペンギンの子ども。おしゃまでファッションに敏感。面倒見がよくしっかり者だが、気が強く口がまわる。「可愛い」が最大級の褒め言葉と思っているが、女性を軽視した発言には色をなして反論する。怒るとジャンプをして地響きを起こして二人をよろけさせる。(どんぴょん)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000019688.html
「どんぴょん」健在です!
怒るとこの「どんぴょん」で意見を押し通したりしてしまう様は、使い方によっては「パワハラ」にも見えてしまうのですが、この子どもらしい癇癪をディフォルメした「どんぴょん」が無ければぴっころではない、というくらいぴっころの代名詞なので、残っていて一安心です。
ぽろり(ぽろり・カジリアッチⅢ世)
ねずみの子ども。海賊の名門、「ねこいらず・カジリアッチ」を祖先に持つ。スタイリスト(おしゃれ、気取り屋)。何かにつけ家柄や頭の良さを鼻にかける傾向があるが、頭が良く謙虚で優しい性格。気が弱くて泣き虫。しかし、発明に関しては天才的な才能を発揮する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000019688.html
「何かにつけ家柄や頭の良さを鼻にかける」いわゆるスネ夫的面を持つぽろり。
彼のこの短所もそのまま描かれるようです。
『にこにこ、ぷん』は、各キャラクターにあえて短所を持たせることで親しみやすさを狙った作品だと言われています。
最近の子ども番組ではその短所の表現の仕方が難しく、盲目的に無くされてしまうものもありますが、
『にこにこぷんNEO』では従来通りしっかりと描く気概が見られ、ホッとしました。
『にこにこぷんNEO』と『にこにこ、ぷん』の声優

『にこにこぷんNEO』では『にこにこ、ぷん』から声優が一新されます。
とはいえ、新声優陣の皆さんが、旧声優陣の雰囲気を引き継いだ演技を披露してくださっています!
キャラクターのイメージを損なわない演技に驚いた方も少なくありません。
キャラクター名 | 旧声優 | 新声優 |
---|---|---|
ふくろこうじ・じゃじゃまる | 肝付兼太 | 木暮晃石 |
ふぉるてしも・ぴっころ | よこざわけい子 | 伊藤ちゆり |
ぽろり・カジリアッチⅢ世 | 中尾隆聖 | 藤崎 龍 |
かしの木おじさん | 高木均 | 中尾隆聖 |
はなばなガールズ | DO! | HARMONICs(古賀英里奈・屋代瑠花・仲咲志織・一ノ瀬ゆうり) |
そして、皆が喜んだのが「かしの木おじさん(cv.中尾隆聖)」!
ぽろり役だった中尾隆聖さんが、今度は3人を見守るかしの木おじさん役に抜擢されたのです!
それだけでなく、中尾隆聖さんはあの独特の穏やかな声音が愛され、ぽろり役以降も教育テレビのあちこちに配役され続け、現在の人形劇『ファンターネ!』でも準レギュラーの「アンモ・チョコモ」役として親しまれています。
この配役からもわかる通り、ファンの期待を受けたリメイクになりそうですね。
『にこにこぷんNEO』のまとめ

『にこにこぷんNEO』は、28年も前の『おかあさんといっしょ』内の人形劇『にこにこ、ぷん』のリメイクです。
着ぐるみによる人形劇ではなくパペット人形劇になり、声優陣も一新されますが、キャラクター設定も極力本来のままを維持したものとなりそう。
ファンの期待に応えたあたたかいにこにこ島が見られることを期待しています!