『運命の巻戻士』∞編の、起承転結の承。
ループする廊下脱出~盆踊り大会を解説します。
今回のクロックハンズの能力に直面するものの、クロックハンズ自身が登場しないまま脱出成功。
登場人物それぞれが何かを抱え、探りながら進む先に何があるのか、固唾をのむ展開に目が離せません!
『運命の巻戻士』∞編のネタバレ解説です!
単行本7巻~12巻を読破の上、お読みください!
『運命の巻戻士』∞(エンドレス)編の解説(3)
今回以降の解説は、全てリトライ169回目の内の出来事なので、リトライ回数のナンバリングは省略します。
リトライ1回の間にメインストーリーがほぼすべて詰め込まれているので、『運命の巻戻士』でありながらリトライできない緊張感をお楽しみください。
ループする廊下
クロノたちが異変に気付いたのは、セキュリティールームからの帰り道。
水没していく豪華客船のレストランから乗客を脱出させるために、脱出ルートを塞ぐ防水壁を解除できるセキュリティールームに行く必要がありましたが、そのセキュリティールームまでの道がすでに水没していたため、その道中の水をあえて凍らせ、その氷を崩しながら進んだのです。
無事、防水壁を解除し、セキュリティールームから凍る廊下を戻ってレストランへと向かったクロノたちでしたが、どれだけ歩いても一向にレストランへつながる階段へたどり着きません。
元来た道を振り向いても、セキュリティールームも消えています。
リトライしようとしてもなぜかできず、スマホンが時間を確認すると、PM4:28で停止したまま、時間が動きません。
150mの凍る廊下は、いつの間にか時間の流れからはみ出た別次元に閉じ込められ、ループしていたのです。

クロノはここで、異常事態に怯えるキンスケ・ギン兄弟に、自分たちが巻戻士であることを打ち明けます。
前後がループしているならと、クロノたちは横移動や、天井を壊して上下への移動も試みてみますが、全方向がループしており、逃げ場がありません。
ハイザキはこのとき、思わず「∞(エンドレス)…。」と呟きます。
未来のデータで、クロノがクロックハンズの能力“∞(エンドレス)”に殺されたことを、ハイザキだけは知っていたからです。
それをクロノに聞きとがめられたハイザキは、とっさに「音楽をエンドレス再生しているみたいだ」と誤魔化します。
それを聞き、クロノは音楽のエンドレス再生も曲の始めに戻るときに不自然な途切れ方を誤魔化せないことから、ループする廊下も前後を繋いだところに不自然なつなぎ目があるのではないか、と仮説を立て、全員でつなぎ目を探すことにします。

しかし、体感6時間を過ぎてもつなぎ目は見つかりません。
ワゴンを基準に計測した廊下の長さは140m。グレイが当てずっぽうに壊した壁も全部ハズレ。
食料は、ワゴンの中に入っていた料理しかなく、ついには凍る廊下に薄着で長時間いたせいで、ギンが低体温症を起こし、倒れてしまいました。
このまま意識を失えば、ギンは死んでしまいます。クロノは慌てて自分の上着を着せました。
急いで脱出するために、全部の壁を壊そうと思い立ったグレイですが、今までに壊した穴がいつの間にかすべて消えています。
とうとう、精神が参ってしまい、グレイは暴れ出し、ハイザキは動けなくなり、キンスケは泣き出してしまいました。

それから4時間後。銀を温めるために抱きしめていたキンスケはいつの間にか寝ていたことに気づいて飛び起きますが、シャツがかけられていただけで、ギンがいません。
グレイもハイザキもその場にへたり込んでいましたが、しばらく進むと、床にフォークが突き立ててありました。
その先にいたのは、ギンを上着で包んで背負いながらつなぎ目を探し続けるクロノ。
ギンが意識を失わないよう、優しく話しかけ続けながら、つなぎ目を確認し終わったところには目印としてフォークを刺して、また先に進んでいたのです。
ギンだけでなく、寝てしまったキンスケにはシャツをかけてあげていたため、上半身裸のクロノはしもやけだらけになっていましたが、キンスケが起きたことに気が付くと「いっしょに探すぞ、攻略未来(クリアルート)」と笑いかけたのでした。
それからもクロノとキンスケで3時間以上探し続けますが、つなぎ目は一向に見つかりません。
もう限界だろうに、気丈にギンを笑顔で励ますキンスケをクロノが労うと、キンスケは、船の仕事が忙しい両親の代わりに自分がギンの父親代わりなのだと語ります。
ギンの誕生日のお祝いとして、今回、豪華客船ワダツミ号に乗船していたというキンスケの話を聞き、クロノは、ワゴンの中のケーキがギンの誕生日ケーキであり、ワゴンが置かれていた場所がキンスケの部屋103号室の前だということに気が付きました。

この船の地図を覚えていると豪語していたキンスケに、見てわかるようなつなぎ目は無くても、元の地図と違うところがあるのではないかと推測します。
キンスケは必死に思い出し、104号室の隣にあったはずの消火器が無くなっていることに気が付きました。
その場所の天上をグレイが、壁をハイザキが、床をクロノが一斉に破壊すると、ようやくループする廊下から脱出。全員生還することが叶ったのでした。
盆踊り大会

PM6:48 ワダツミ号から無事に非難できたクロノたちは、ワダツミ号の本来の目的地であるワダツミ島に到着します。
PM7:30から始まる盆踊り大会がこの船旅の締めくくりだと聞き、グレイは参加したいと言いますが、スマホンはハイザキの言う通りクロノの命日だとしたら帰った方がいいと説得します。
しかし、ハイザキはループする廊下を脱したことでクロノの死の運命は回避されたから大丈夫だと言い、クロノも賛成。3人はワダツミ島に残り、盆踊り大会に参加することにしました。
クロノは、ただ盆踊り大会を楽しむために残ったのではありませんでした。
ループする廊下が、クロノ殺害をもくろむクロックハンズの仕業なら、それを打開されただけで引き下がるはずがありません。
この島の中に隠れ、クロノを襲う機会をうかがっているクロックハンズをつかまえるつもりなのです。

それを知ったスマホンは、危険だから帰るよう説得しようとしますが、そこにキンスケが駆け寄ってきます。
巻戻士に憧れたキンスケは、クロノの弟子にしてほしいというのです。
驚いたクロノでしたが、キンスケの心の強さと機転を思い出し、了承。キンスケは喜び、ギンに話してくる、とまた駆けて行きました。
一方、姿の見えないハイザキの居場所をグレイに聞くと、ノートの切れ端を見ながらどこかへ行った、と応えられます。
それを聞き、クロノは、クロックハンズ“3時”が未来に起こる出来事をが書かれた日記の切れ端を元に行動していたこと、ハイザキが未来から来たと証言していたことを思い出し、慌ててハイザキを探し始めます。

一方、ハイザキは、日記の切れ端に書かれた場所へ向かっていました。
ハイザキが盆踊り大会への参加を薦めた理由は、二つあります。
一つは、そもそもクロノの命日だという話(というより、「ワダツミ号からの脱出中が死亡時刻だ」とう話)が、クロノを殺すクロックハンズ“4時”に遭遇する前にクロノを帰らせようとしたハイザキの嘘であったこと。
もう一つは、未来に起こる出来事が書かれた日記の切れ端に、以下の内容が書かれていたからです。
巻戻士クロノは“CASE88”で“4時”に殺された。“4時”は幼少期に“CASE88”のターゲットの中にいたのだ。“4時”は午後7時43分ワダツミ神社の、神木の前に現れたかれだった。
日記の通りの時間に神木の前に現れた少年を、ハイザキは、花火の音に紛れて撃ち殺します。
その少年は、ギンでした。

駆けつけたクロノとグレイ、途中で合流したキンスケが見たのは、
倒れているギンと、彼に向けて硝煙の上がる銃を向け、もう片方の手にはノートの切れ端を持ったハイザキの姿でした。
クロノがリトライしようとすると、ハイザキがすかさず全身をマヒさせる電撃弾を撃ち込み、数分動けない状態にされてしまいます。
ギンを抱き起したキンスケが、ハイザキにリトライを請いますが、ハイザキは自分がギンを殺したことを伝え、笑い飛ばします。
ハイザキは、倒れて動けないクロノとグレイに、自分の過去を話し出すのです。
『運命の巻戻士』∞(エンドレス)編の解説(3)のまとめ

『運命の巻戻士』∞編、今回はループする廊下からの脱出と、その後の盆踊り大会中、ハイザキがギンを殺すところまでを解説しました。
人を助ける役目を持つ主人公側のキャラクターが、幼児(それも、本来助けるべきターゲットの一人)を撃ち殺す、という衝撃展開は、連載当時、SNSでも「コロコロコミックでやっていい展開なのか」と議論を巻き起こしていましたが、
実はこの∞編は、この後も「コロコロコミックでやっていい展開なのか」と目を覆うような展開がいくつも出て来る伝説の章となります。
それだけ重いものをいくつも乗りこえた末にたどり着く攻略未来は、涙なしには語れません。
辛い展開が続きますが、どうか途中で投げ出さずに最後まで読んでほしいと願います。

