『運命の巻戻士』∞編の徹底解説。ようやく折り返しの今回は、レモン&チャイヌVS“5時”戦と、シライ&アカバVS“6時”戦です。
複数のクロックハンズが現れることも珍しく、それに対し主要キャラほぼ全員で立ち向かうという、今までにない展開は熱いですね!
この記事は、『運命の巻戻士』∞編のネタバレ解説です!
単行本第7~12巻を読破してからご覧ください!
『運命の巻戻士』∞編の徹底解説(6)

巻戻士が使うタイムマシンの技術では、同じ時代に巻戻士を3人までしか転送できません。
今回、2072年の“CASE88”にはすでにクロノ、ハイザキ、グレイの3人が転送されていたため、直接は助けに行けなかったところを、
シライの機転で、2052年と2032年に手分けして巻戻士を転送し、そこから時限式の攻撃をしかけて2072年に発動してクロノたちを助けることに成功。
クロックハンズの“5時”と“6時”はシライたちの邪魔を止めるため、それぞれの時代におびき寄せられることになりました。
2052年 レモンとチャイヌ VS “5時”
純粋なパワーだけならシライと同等と言われているレモンとチャイヌ。それぞれ“MODE戦女神(ヴァルキリー)”とチャネエへの“変換(エンコード)”を使って“5時”に攻撃を開始しますが、それぞれの初撃直後に”5時”を見失い、次の瞬間には空から落ちてきた巨大な何かに攻撃されてしまいます。
その攻撃のせいで、同行していたキツネ型スマホAIツネホンは他の時代と一時的に通信できなくなってしまいます。
“5時”の能力を分析しようとするレモンたちですが、上空に現れた巨大な指にチャイヌがつままれ、つぶされてしまいます。

500メートルを超える巨人となった“5時”を前に、レモンが急所16か所を攻撃しようとした瞬間、巨人は消え失せ、レモンを突然の激しい“視界の回転”が襲い、レモンはめまいで動けなくなってしまいます。
しかし、耳の中の平衡感覚制御装置の異常を感知したレモンは、小さくなった“5時”が耳の中を攻撃しているのではないかと仮説を立て、“超加熱(オーバーヒート)”で発火するほど体温を上げると、あぶり出された“5時”は元の姿に戻りました。
“5時”の能力は“拡縮(スケーリング)”。自分の身長を1マイクロメートル~300キロメートルの間で自由に拡大・縮小できるのです。
しかし、“5時”は“日記”に「巻戻士4人が2052年と2032年に出動する」ことも書いてあると見せてきます。“4時”だけはその文章から具体的な作戦までは予測できなかったようです。
“日記”にはシライたち4人が「致命傷を負いその後遺症で2089年に死ぬ、または失踪する」とも。
再び巨大化した“5時”にはレモンの最大火力の“永久機関銃(エターナルマシンガン)”も効かず、レモンはリトライします。
2回目 ”5時”の姿が消えており、見えないほど小さくなったと考えたチャイヌはチャワンに“変換”。犬の嗅覚と動体視力で”5時”をつかまえようとしますが、
生物は体重が小さくなるほど時間の感覚が早くなり、周りの動きがゆっくりに見えるという特徴があります。

1mmになった“5時”はやすやすとチャワンの体内に侵入し、急速に巨大化することで身体を破裂しようとしたため、レモンがリトライ。
そうしてリトライを336回も繰り返し、レモンたちができる技を全て試しましたが、“5時”には歯が立ちません。
限界が近い中、チャイヌは自分自身何が起こるかわからない、前に使ったときは周囲50キロメートルの町が壊滅したため別人格たちと絶対に使わない約束をした“変換”第7の姿チャイモに変わります。
まだおしゃぶりをくわえた幼児の姿のチャイモの行動は、気象学・カオス理論における「小さな変化が時間が経つにつれ、大きく異なる結果をもたらす現象」をあらわす“混沌(バタフライエフェクト)”を起こせる第二の“開眼”を使えるのです。
チャイモが蝶に触れるだけで巨大化した“5時”の足元だけ地盤がゆるんでひっくり返り、石を蹴っただけで不自然に集まった雲が“5時”に雷を落とし、石を積んだだけで“流星群”が襲います。
ただし、精神消耗の激しい“混沌”は3回使うと一週間眠ってしまう能力。

最後の流星群を“最大拡大(マックスエクスパンション)”300キロメートルで耐えたという“5時”ですが、レモンの目には289キロメートルしかないことが明らか。
“混沌”によりタイムマシンに傷がついたため、“5時”の“拡縮”にズレが生じていることを見抜いたレモン。
さらに、体重が小さくなるほど時間の感覚が早くなるということは、逆に体重が大きくなるほど時間の感覚が遅くなることを逆手に取り、作戦をたてます。
巨大“5時”の攻撃を受け森に逃げ込んだ後、特大煙幕で島全体を覆います。
“5時”の体感時間が遅くなっている間にレモンは神社周辺そっくりの箱庭を作り、その中に倒れている自分とチャイモの人形も作ります。
煙幕で目くらましされた“5時”は、煙が薄らいでようやく見えた小さな箱庭の中のレモンたちの人形を本物だと勘違いし、そのサイズ感に合わせて身長を縮小してしまいました。
レモンは箱庭を揺らしたり回したりして“5時”を翻弄し、事態が飲み込めず慌てて“5時”が取り出したタイムマシンを壊すことに成功。

巨人に見えるレモンにうろたえた“5時”は、その周りの蝶まで巨大に見えることからようやく状況を理解したのです。
手のひらサイズに縮小していた“5時”は、レモンの手に捕まれ、難なく捕獲されてしまいました。
2032年 シライとアカバ VS “6時”

シライとアカバは“6時”と戦闘になりますが、シライの攻撃が、絶対に当たる間合いなのになぜか外れます。
逆に“6時”の攻撃はノロく、確実に避けたはずなのに当たり、シライは左肩をナイフで刺されてしまいます。
アカバも“早送り”で応戦しますが、“6時”は無傷で、逆に“6時”のノロいナイフを左胸に受けてしまいます。
“6時”の能力は“重ね合わせ(シュレディンガー)”。
能力を発動させると、時間が止まり、そのあと起こりうる2つの未来Ⓐ(“6時”にとって“良い未来”)とⒷ(“6時”にとって“悪い未来”)が出現します。
“6時”が選んだ答えが正解の場合、“6時”にとって良い未来が、不正解の場合は“6時”にとって悪い未来が実現してしまうのです。
致命傷を受け倒れた二人を前に勝利を確信した“6時”はクロノたちがいる2072年に戻ろうとしますが、その背中をシライがたまたま事前に仕込んでいた“再生”が襲い、攻撃を浴びてしまったためリトライ。おかげで二人は一命をとりとめます。
アカバは“6時”の能力を”瞬間移動“か、時間の早さを変える”時間操作”だと辺りをつけ、瞬間移動した瞬間に加速してとらえようと“6時”に走り寄りますが、“6時”の能力で上空を飛んでいた飛行機がひとりでに落ちてきます。

二人のリトライも“6時”の能力に阻止され、シライはアカバに「おれに合わせろ」と指示を出し、墜落する飛行機に走り寄ります。
シライの“開眼”で攻撃を100回繰り返し、1度にまとめて”再生”する“多重再生(マルチリプレイ)”で飛行機を斬るシライ。
アカバもそれに習い、“早送り”“200倍速(ダブルハンドレッドスピード)”を駆使して数秒で乗客全員を救助。
爆発する前に脱出するようシライが声をかけ、アカバも応えようとしますが、その背後に忍び寄っていた“6時”にシライを馬鹿にされ、アカバは思わず“6時”の口車に乗り、“6時”の居る飛行機の奥に切りかかってしまいます。

しかし、それは“6時”の罠でした。
飛行機の奥から爆発が起こり、すんでで“6時”だけ横の壁を壊して脱出。アカバだけが爆発に巻き込まれかけた瞬間、シライがアカバを外へ放り出し、シライだけが犠牲になってしまいます。
アカバは“6時”に攻撃を繰り出しますが、そこで“6時”が能力“重ね合わせ”をわざとネタ晴らし。(能力発動時の「重ね合わせ」という言葉が聞こえた者には、能力の過程が見られる)
相手が強いほど物事の結果はわかりやすいため、“6時”はこれを“シライを仕留めるための力”と言っていました。
勝機を見いだせず絶望するアカバは、シライとの出会いを思い出します。
アカバとシライの出会い

2062年5月16日AM11:32 シライは巻戻士として、嵐により沈没した船から乗客を救出する任務を担って来ていました。
23回目で他の乗客は全員救えましたが、祖父と共に乗船していた6歳のアカバだけはどうしても、救助隊に預けた後に波にさらわれて死んでしまいます。
そこで、シライはアカバと共に救命ボートに乗り込んで漂流し、助けを待つことにしました。
しかし、二人の遭難生活は過酷なものでした。
まず、シライが刀を持っていたことから、アカバはシライのことを自分を人質にして逃げている犯罪者ではないかと誤解をします。
そのためアカバは疑心暗鬼で、隙あらばシライの元から逃げ出そうと無茶をするのですが、そのどれもが裏目に出てきたのです。

1日目 ボートから海に飛び込んだアカバがサメに食われて死にます。 ←アカバがボートから出ることを禁止。
同日 通りかかった船にアカバが近づいたら、実は密漁船でアカバは殺されてしまいます。 ←アカバがその船に声をかけようとすることを力づくで止めます。
2日目 非常用水が腐りかけており、それを飲んだアカバが3日後に死亡。 ←非常用水はシライが飲み、アカバには雨を飲ませます。
3日目 アカバが毒のある魚に触り死亡。 ←魚を捕まえることを禁止。代わりに虫を食べさせる。
4日目 アカバが嵐の夜に逃げようとして死亡。 …etc.
毎日のように死亡ルートに行きかけるアカバを生存させるためには、常に監視し、理不尽な禁止事項で縛り付け、水と食べ物も管理しなければなりませんでした。
103日目 アカバはずっと食料を与えられず、シライに6日前に渡され取っておいた最後の魚の干物をかじっていました。
追い詰められたアカバは、シライさえいなければ食べ物も水も自由で助かる道もあると、シライを海に突き落とそうと近づきますが、シライが自分以上に衰弱していることに気づきます。

そこに現れたクロホンが、シライは18日前から食料を得られていないこと。彼が巻戻士で、アカバを助けるために仕方なく過剰な制限をかけていたことを説明しました。(クロホンは、今まではシライから口止めされていましたが、シライの命が危ないからか、アカバに打ち明けることにしたようです)
ほぼ毎日アカバが死ぬたびに時間を戻し、1日ずつアカバの生存ルートを探ってようやく103日目にたどり着いた今までにかかったシライの体感時間は、1831日。実に約5年も、この過酷な漂流生活を続けていました。
真実を知ったアカバはシライに自分の干物を与え、シライは命をつなぎ留めます。

夜。満天の星を見て、シライは語ります。今見ている星の光は、何年も前の光であること。星の光が地球に届くまでに何年もかかるということを。
それを聞き、光は意外とノロい、走るのが得意な自分の方が速い、と考えたアカバは、次シライがピンチになったときは自分が光より早く助けに行くと約束します。
それに対し、シライは光より速く走ったら過去に戻ってしまう、と相対性理論で返したところでようやく船が通りかかり、救助されたのでした。
打倒“6時”

自分を助けるためにシライが千回もリトライしてくれたことを思い出し、アカバは立ち上がります。
“開眼”“最速早送り(トップギアフォワード)”で、いつもの200倍速から、400倍速、800倍速、1600倍速と、皮膚が裂け、クロホンに体がバラバラになると止められるのも構わず、次々と速度を上げはじめました。
“6時”はそれだけのエネルギー量を込めた攻撃に備え、“重ね合わせ”を発動させます。
Ⓐ「アカバの技が失敗する」とⒷ「アカバの技が成功する」の二択で、“6時”はⒷを選びます。この回答が正解なら、Ⓐが実現し、アカバの技はどんなものであっても失敗するのです。
ついに“3000万倍速(ライトスピード)”に達したアカバは、“6時”を素通りして駆け抜けました。
“6時”はアカバの技が失敗したために自分を素通りしたのかと思いますが、実は不正解。
アカバの技は攻撃ではなく、(シライが過去に話した相対性理論に乗っ取り)光の速度を超えて過去に戻るという、本来なら実現しないことに挑んだもの。
誤解した“6時”が不正解だったため、“6時”の”重ね合わせ”がアカバの技を成功させてしまい、光速を超えた“超高速(エクシードライト)”に達したアカバは、自力でリトライし、3回目のPM3:03にたどり着いてしまったのです。

自力のリトライだからか、アカバ以外は2回目の記憶がありません。
そこでアカバはシライに“重ね合わせ”の能力を伝え、力尽きました。
シライはアカバのボロボロの様子と「約束通り助けに来たんじゃ。」という言葉から、アカバとの出会いと約束を思い出し、光より速く走るという無茶をしたという事は、自分が2回目に死んだのだろうことまで推測。弟子を助けられない自分に激昂し、“6時”に立ち向かいます。
“6時”は自分の能力がバレたことを知りながらも勝てるわけが無いと“重ね合わせ”で受けてたとうとしますが、シライは自分自身が当たるかわからないランダムな攻撃と通常攻撃を織り交ぜることで予測できなくさせ、“重ね合わせ”を完全に攻略。“6時”を倒し、捕獲することに成功しました。
『運命の巻戻士』∞編の徹底解説(6)のまとめ

それぞれ厄介な能力を持つ“5時”と“6時”との能力バトル。
チャイヌとアカバが戦闘不能に陥るものの、その努力によって得たチャンスを生かし、レモンとシライの機転でクロックハンズを打倒する展開はたかぶりますね!
特に、今回の話の流れで明かされたアカバとシライの出会い、それに鼓舞され本来なら無理な自力リトライを敵の技を逆手にとって実現させてしまったアカバのまっすぐさには感動しました。
しかし、これでは終わらない“∞”編。むしろ、勝負はここからです。
