『運命の巻戻士』∞編の徹底解説、クロノのきれいごとに爆発したキンスケが、とうとう島全体を∞にしてしまいます。
今回の記事では、“∞”の花火によって島全体が“∞”になったところ~ハイザキが開眼し、キンスケのタイムマシンを壊すところまでです。
この記事は『運命の巻戻士』∞編のネタバレ解説です。
単行本第7~12巻を読破してからご覧ください!
『運命の巻戻士』∞(エンドレス)編の解説(8)

今回のクロックハンズ“4時”“5時”“6時”の3人全員がそれぞれ20歳、40歳、60歳のキンスケであるという驚くべき事実が判明し、ギンの死によりキンスケは死ぬまで復讐に囚われ続けるという未来が明らかになってしまいました。
さすがのクロノも涙を禁じ得ず「絶対に!!おれが助ける!!」と決意を新たにしますが、50年間も復讐に人生を捧げるよう運命づけられたキンスケは逆に激昂し、島全体を“∞”してしまいます。
島全体を支配下にする、等というけた外れの能力を前に、クロノたちはどう戦うのでしょうか。
島全体を‟∞”
「すまん…!! キンスケ…、お前だけは…、絶対に…、絶対に!!おれが助ける!!」
クロノの叫びは、逆にキンスケの逆鱗を踏んでしまいました。「お前らがちゃんと助けてくれなかったから、オレは、こんなことに、なったんだろうが!!」花火と共に泣き叫んだキンスケの“∞”は、花火にすら“∞”を描かせ、“無限極限(ファイナルエンドレス)”を起こします。

ブツンッ。何かが途切れた音がした次の瞬間、ワダツミ島全体をループさせてしまったのです。
実は、このワダツミ島全体をループさせた“無限極限”は夢の世界での出来事。恐らく「ブツンッ」という音の時に夢の世界に切り替わったのだと思われます。
“無限夢”とも呼び、“∞”型の花火を見せた者たちの脳の意識を∞させ、キンスケが作った夢に閉じ込める能力です。
クロノたちはこの“無限夢”の世界に囚われた時点で、現実のキンスケに叶うわけが無いということを知らないまま、”無限夢”の中でのキンスケ攻略に悪戦苦闘することになります。
ただ、このとき、グレイはシロとの修業時代に「花火を見るな」を徹底されていたため、花火が上がった瞬間、とっさに目をつぶっていました。そのことが後に勝機をつかみます。
島全体がループしたということはつまり、ワダツミ島にあるものすべてキンスケが自由自在に操れるということ。
キンスケは、“∞”状態の中に船に乗船していた1600人とクロノたち3人だけを招き入れ、一人ずつ順番に殺そうと言うのです。

目の前の家が歪に伸び出したのを見ても、クロノは動じず「①“∞”攻撃のつなぎ目を攻撃して壊す ②“4時”の時計を壊す」という基本姿勢を解き、グレイも、一緒に廊下を出たガキんちょにもう復讐はさせない、助けたいと覚悟を決めますが、ハイザキは迷いがある様子。
そんな3人に、キンスケは伸ばした家を今までの小枝動揺、回転させて飛ばしてきます。
そのたった一撃で、3人は満身創痍。他の人たちもケガを負い、クロノはリトライしようとしますが、“∞”空間の中ではリトライできません。
諦めの悪いクロノに業を煮やしたキンスケが、倒れているグレイに狙いを定めようとしたところを、ハイザキが止めます。
キンスケは、10歳のハイザキに、消滅する直前のAIクロノが、ギンを殺すよう指示する映像を“1時”に見せられたため、クロノが元凶だと考えています。
しかし、実際は、ハイザキが手に入れた日記にギンが“4時”となりクロノを殺す未来が書かれていたため、ハイザキは自分の意志でギンを殺したのです。
ハイザキは、自分だけを殺してクロノとグレイを見逃してくれるよう、泣いて懇願しますが、キンスケは「おまえ…、都合よすぎんだろ。」と一蹴。

逆に怒りを煽られたキンスケは、地面をせり上げ、クロノたちを含む全員を200m上空に並ぶ家々に閉じ込めます。
“無限天牢“。10秒以内にハイザキに”クロノたちの家”か”乗客たちの家”のどちらを助けるか選ばせ、選ばれなかった家を落とし、中の人を殺すというのです。

これがおまえがしたことだ。クロノを生き返らせるために赤の他人のギンを殺した。巻戻士は仲間同士で助け合うだけの組織だ。キンスケは無情にハイザキの罪を突きつけます。
追い詰められるハイザキは、再び自分を殺して他の人を巻き込まないよう歎願しますが、キンスケは聞く耳を持ちません。
子どもを撃ち、ギンの未来をうばった。キンスケの人生をめちゃくちゃにした。クロノが死ぬきっかけを作った。すべて自分のせいで許されるわけが無いと思い詰めたハイザキは、自分に銃口を向け、自殺しようとします。

ハイザキの開眼
ハイザキの自殺を止めたのは、クロノの叫びでした。
「それじゃただの、あきらめだろうが!!」「何回でも何回でもやり直して、答えを探すのが巻戻士だろ!!」「死んでつぐなう勇気があるなら、生きてつぐなえ!!」
10秒を数え切ったキンスケは、全員の家を落とします。
しかしハイザキは、クロノのように誰かを救う巻戻士になりたかったことを思い出し、“開眼”。
ハイザキの“開眼”“経過(タイムラプス)”は、時間の経過を残像として残す力。物体の動きをコマ送りのように、実態を持った動かない残像として残せるのです。
ハイザキの撃った銃弾の軌跡が、落ちる家々を全て支えたのです。

ハイザキは改めて、全員助けることを宣言。クロノも改めて、作戦を2人に指示します。
- ハイザキとグレイが“∞”攻撃をこわす。
- クロノがキンスケのタイムマシンをこわす。
キンスケは再び伸びた家を投げつけてきますが、ハイザキが“経過”でそれを3秒止め、グレイは“MERMAID”筋電気刺激制限解除“SIREN”で家を破壊。
それを超えて走り寄るクロノにキンスケは板を“∞”で投げつけ、左わき腹を傷つけますが、クロノはそのまま突進し、タイムマシンを破壊。
その瞬間、“エンドレス”の声と共に、世界が平面になりました。
『運命の巻戻士』∞(エンドレス)編の解説(8)のまとめ

『運命の巻戻士』∞編、とうとう“無限夢”に突入です。
この辺りは、「子ども殺し(それも救助対象のターゲット)」というタブーを味方側のキャラが犯すという、少年漫画では本来避けられがちな罪を犯したハイザキが自責の念に追い詰められ、ついには自殺を図ろうとするという、二重も三重も子ども向け作品のタブーを盛り込んだ展開で、読者の間に衝撃が走りました。
そもそも、敵のクロックハンズ自体が、本来守られるべき子ども(救助対象のターゲット)が、その弟を殺された復讐のために立ちはだかるという、こちらも少年漫画の敵キャラとしてはあまりにも衝撃的な存在。
“∞”編は「少年漫画(それも低学年対象のコロコロコミック)でやっていいのか!?」と驚かれる要素を多分に盛り込んだ衝撃作となりました。
ただ際どいネタを盛り込むだけなら可能ではありますが、大事なのは、それらの収拾をどうやってつけるのか。
終盤の展開に、是非ご期待ください。

